脳梗塞・脳卒中で障害年金はもらえる?専門家である社労士が解説

この記事の最終更新日 2026年5月12日 執筆者: 社会保険労務士 伊藤斉毅

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、一命を取り留めた後も、麻痺や言語障害などの後遺症が残ることが少なくありません。 「まだリハビリ中だから」「車椅子ではないから」と申請を先延ばしにしている方も多いですが、脳血管疾患の後遺症は障害年金の支給対象です。

特に脳血管疾患の場合、他の疾患とは異なる「特例」も存在します。専門家である社会保険労務士が、申請のポイントを詳しく解説します。

脳梗塞・脳卒中での認定基準

脳卒中の後遺症は多岐にわたるため、現れている症状によって審査の基準が異なります。

① 肢体の障害(麻痺・しびれ)

片麻痺や四肢の麻痺がある場合、手足の動かせる範囲(関節可動域)や筋力、そして**「日常生活動作(ADL)」**がどれだけ制限されているかで等級が決まります。

  • 1級: 自力で立ち上がれず、日常生活の全般に全面的な介助が必要。
  • 2級: 杖や歩行器があれば歩けるが、日常生活に著しい制限がある(例:階段の上り下りができない、片手で重いものを持てない)。
  • 3級: 労働に著しい制限がある状態(例:長時間の立位保持や、細かな手作業が困難)。

② 言語障害(失語症・構音障害)

「言葉が出てこない」「相手の話が理解できない」「呂律が回らない」といった症状も対象です。音声・言語機能の障害として、コミュニケーションの困難さで判定されます。

③ 高次脳機能障害

記憶力の低下、感情のコントロールが効かない、一つのことに集中できないといった症状です。精神の障害用診断書を用いて、日常生活や社会生活への適応力を審査します。

知っておきたい「障害認定日」の特例

通常、障害年金は「初診日から1年6ヶ月」経たないと申請できません。しかし、脳血管障害には「1年6ヶ月を待たずに申請できる特例」があります。

【特例の条件】 初診日から6ヶ月以上経過した後に、医師から「症状固定(これ以上リハビリを続けても改善が見込めない状態)」と判断された場合、その日が障害認定日となり、すぐに申請が可能になります。

これにより、早期に受給を開始できる可能性があるため、タイミングを逃さないことが重要です。

申請時に注意すべきポイント

診断書と「実態」の乖離を防ぐ

リハビリ病院の先生は、患者さんの「できるようになったこと」に目を向けがちです。そのため、診断書に「自力で歩行可能」とだけ書かれてしまい、実際には「手すりがないと不安定で、外を歩くのは危険」という不自由な実態が反映されないことがあります。 診察時には、「できないこと」「苦労していること」を正確に伝える必要があります。

複数の障害を合算する

「右半身の麻痺」だけでなく「言葉の出にくさ(失語症)」や「高次脳機能障害」を併発している場合、それらを合算(併合認定)することで、より上位の等級に認められる可能性が高まります。

社労士に依頼するメリット

脳卒中の申請は、いつが申請タイミングとしてベストなのか、身体・言語・精神のどれで申請すべきか、あるいは全てで申請すべきかなどの判断の難易度が高いです。

  • 適切な診断書の選択: 症状に合わせて、肢体用、精神用、言語用など最適な診断書をアドバイスします。
  • 「症状固定」の確認: 1年6ヶ月待つ必要があるのか、特例が使えるのか、主治医の見解を確認し最適な時期を判断します。
  • 病歴・就労状況等申立書の作成: 発症当日の状況から、救急搬送、リハビリの経過、現在の不自由さをストーリーとしてまとめ、審査官に伝えます。

最後に:あなたの「これから」を支えるために

脳梗塞や脳卒中の後遺症と向き合う生活には、リハビリ費用や生活費など、経済的な不安がつきまといます。障害年金は、その不安を和らげ、リハビリに専念するための貴重な財源となります。

「自分の症状で受給できるのか?」と迷われている方は、まずは一度ご相談ください。私たちがこれまでの経験を活かし、受給の可能性を最大限に引き出します。

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