【社労士が解説】人工透析を始めたら障害年金は必ずもらえる?申請のタイミングと等級を解説
この記事の最終更新日 2026年3月2日 執筆者: 社会保険労務士 伊藤斉毅
「人工透析を導入することになったけれど、これからのお金や仕事のことが心配……」 「透析を受ければ、障害年金は必ずもらえるの?」
人工透析は週に数回、長時間にわたって拘束されるため、生活や仕事に大きな影響を及ぼします。結論から申し上げますと、人工透析を導入された方の多くは、障害年金を受給できる可能性が高いです。
しかし、「いつから申請できるのか」など、知っておくべき重要なルールがあります。今回は、透析患者様が障害年金を申請する際のポイントをわかりやすく解説します。
人工透析導入での等級は「原則2級」
まず、障害年金では「基礎年金の対象となる方は1級〜2級、厚生年金の対象の方は1級~3級」と対象となる等級に違いがあります。
※初診時の加入制度によって基礎年金、厚生年金どちらの対象になるのかが決まります。
人工透析を導入した場合の認定基準は以下の通り定められています。
- 原則として「2級」
- 主要症状や検査成績、日常生活の困難度によっては「1級」に認定されることも。
人工透析で1級になるケースでは、 透析をしていかつ腎不全と同様の疾病に起因する肢体障害、視覚障害、循環器障害など、別の障害状態があり、合わせて上位等級である1級に認定されることが多いです。
申請のタイミングは原則1年半経過、特例では透析開始から3ヶ月経過
通常、障害年金は初診日から「1年6ヶ月」経過しないと申請できません(障害認定日)。しかし、人工透析には特例があります。
特例の場合の認定日は、人工透析を開始した日から3ヶ月が経過した日です。
※ただし、「原則の1年6か月経過」より「透析開始から3か月経過した日」の方が早い場合
多くのケースでは初診から1年6か月経過してから透析開始となり、通常の1年6か月経過後の、「事後重症請求」となります。
必ずもらえる?注意したい「3つの壁」
「透析=受給確定」と思われがちですが、以下の条件を満たしていないと、たとえ透析をしていても受給できません。
① 初診日要件
腎疾患で初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、どの年金制度に加入していたか。これが証明できないと、申請自体が受理されません。
② 保険料納付要件
初診日の前日において、一定以上の年金保険料を納めている必要があります。未納期間が多いと、受給権が発生しません。
③ 初診日がかなり前にあるケース
10年、20年以上前のことだと、カルテが破棄されており初診日証明(受診状況等証明書)に苦労するケースが多々あります。
社労士からのアドバイス:早めの準備が大切です
人工透析の方は、働きながら通院されている方も多く、書類作成や病院とのやり取りを負担に感じられることも少なくありません。
- 遡及請求(さかのぼり)ができる可能性: すでに透析を始めて数年経っている方でも、条件が合えば過去に遡ってお金を受け取れる可能性があります。
- 「初診日」の特定が鍵: 腎臓病は進行が緩やかなため、初診日がかなり前になりがちです。当事務所では、古いカルテの調査や、代わりの証拠集めをサポートしています。
まとめ
人工透析を導入された方は、基本的には「障害年金の2級」の対象となります。 申請は「透析開始後」に検討することになる方が多いですが、初診日の証明の取得、納付要件の確認、いつの、どんな内容の診断書が必要なのかなど、プロの目によるチェックが欠かせません。
「自分はもらえるのかな?」「初診日の病院がもうない…」と不安に思われたら、まずは一度、当事務所へお気軽にご相談ください。






初めての方へ