【社労士が解説】ペースメーカーや人工弁置換術を受けると障害年金は申請できる?
この記事の最終更新日 2026年3月2日 執筆者: 社会保険労務士 伊藤斉毅
心臓の疾患により、ペースメーカーの植え込みや人工弁の置換術を受けた方から、「自分も障害年金をもらえるのだろうか?」というご相談を多くいただきます。
結論から申し上げますと、これらの手術を受けた方は原則として「障害等級3級」以上に認定され、障害年金を受給できる可能性があります。
今回は、ペースメーカーや人工弁置換術を受けた際の認定基準や、申請時の注意点を分かりやすく解説します。
手術を受けると年金法上の「3級」にあてはまる
心臓疾患の認定基準では、特定の処置を行うと、それだけで障害の状態が固定されたとみなされる「症状固定」の考え方があります。
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手術・処置の内容 |
認定される等級(原則) |
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ペースメーカーの植え込み |
3級 |
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ICD(除細動器)の植え込み |
3級 |
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人工弁の置換 |
3級 |
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人工血管の置換(※大動脈解離起因による 胸部・腹部大動脈への置換) |
3級 |
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CRT(心臓再同期療法デバイス)の植え込み |
2級 |
通常、障害年金は「仕事や日常生活にどれだけ支障があるか」を厳しく審査されますが、これらの手術を受けた場合は、手術をしたという事実のみで3級に認定されます。
上位等級に認定されるケース
置換術などを施行しても症状が重く、検査数値等も通常より良くない場合は、より上位の等級(1級・2級)に認定されることもあります。
手術後も心不全の症状(動悸、息切れ、むくみなど)が強く残っている場合や、検査結果(射出率やBNP値など)が著しく悪い場合は、診断書の内容次第で上位等級が狙える可能性があります。
申請における重要なポイント
① 初診日の特定
障害年金の申請で最も重要なのが「初診日」です。心臓の異常指摘などで初めて病院を受診した日がいつかを証明しなければなりません。
② 年金の種類(国民年金か厚生年金か)
ここが大きな注意点です。
- 初診日に厚生年金に加入していた場合: 3級以上が対象
- 初診日に国民年金(自営業・主婦・学生など)だった場合: 2級以上が対象
③ 認定日特例(待たずに申請できる)
通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月経たないと申請できませんが、ペースメーカーや人工弁置換術等の場合は「手術日」が障害認定日となります。そのため、原則の認定日である1年6ヶ月を待たずに、手術をした場合には、すぐに申請手続きを進めることが可能です。
また、過去に遡っての申請が可能なケースも多くあります。
社労士からのアドバイス
「手術をして体調が良くなったから、年金はもらえないだろう」と申請をしない方が一定数いらっしゃいますが、それは早計かもしれません。障害年金は、「医療機器の助けを借りなければ生活できない状態」を評価する制度でもあります。
特に心臓疾患は、手術の事実だけでなく、初診日と手術のタイミング、診断書の検査数値、その他細かな記載内容によって、結果が異なる場合も。
「自分の場合は受給できる?」「初診日の証明が難しい……」
そんな不安をお持ちの方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。受給の可能性を無料で診断させていただきます。






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