知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
相談者
相談者:女性 40代、家事手伝い
傷病名:中等度精神遅滞
決定した年金種類と等級:障害基礎年金 2級
支給月から更新月までの総支給額:年額 約78万円 更新3年まで 約230万円
相談時の相談者様の状況
障害者福祉施設からの紹介の案件。療育手帳はもっているものの、幼少より病院の受診歴は無く、また、その他身体に障害が見られるため、施設職員では申請難易度が高く困っているとのことでご連絡を受け面談致しました。現在は母親との二人暮らしですが、母親が高齢となってきたことや本人が就労できず家からほとんど出ないことから、将来への不安があり、少しでも経済的な支えがあれば前向きになれるとのことでした。一方で、母親も本人も年金制度は難しく理解できない、文章を書くこと自体が苦手、家族以外との交流が極端に苦手とご自身たちで申請することは非常に負担であると見受けられました。面談中、本人や母親から初対面でこんなに話しやすい方であれば、信頼してお願いできると、面談日にご依頼いただけました。
相談から請求までのサポート
まずは、福祉施設職員の方と連携し、診断書を書いてもらえる病院をみつけました。次に母親、本人から出生から現在までの様々な出来事や日常生活において困っていることなどを、一つずつゆっくりとヒアリングさせていただき、診断書作成時の参考資料を作成しました。
知らない人の前では、できないことでもできると言ってしまう傾向が本人にあることを面談の時に気づいていたため、申請のためだけでなく、今後の自身の知的障害との付き合い方を見直すためにも本当のことを言うことが非常に大切であることをご説明し、納得していただき、たくさんの話をしていただきました。
こうして出来上がった内容十分の資料をもとに診断書を作成し、その他必要書類の案内等をお電話、郵送でのやり取りでフォローさせていただき無事に申請することができました。施設の職員さんが「こんなにスムーズに、早く申請できるとは思ってもいなかった」との言葉が印象に残っています。
結果
障害基礎年金 2級 年間 約78万円 の受給が決定。
本人、母親、施設職員全員から「本当にありがとうございます」と言っていただけました。たくさんの情報の中から、診断書作成や審査に必要なものを精査し、的確な資料を作成することが障害年金の申請には不可欠であることを実感した事例です。一方で、本人たちだけでは万全の態勢で審査を受けることの難しさも実感いたしました。
障害年金の専門家である社会保険労務士に依頼することは有用であることがお伝えできれば幸いです。