この記事を書いた人

伊藤 斉毅

社会保険労務士　伊藤斉毅（いとう　きよたか）

当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は愛知県知多地域を中心に、県内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。（※相談は全国対応です。）
障害年金について少しでも疑問、質問、不安のある方の相談にのり、「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。サポート依頼をするかどうかは後で決めれば良いです。まずはお気軽に相談ください。一緒に考え、解決していきましょう！

　　

【面談】転移性胸骨腫瘍の方と面談を行いました。(傷病手当金との調整について）

先日、転移性胸骨腫脹の方のご家族と面談を行いました。

この方はＨＰをみてご連絡いただきました。

年金事務所で相談し、難易度が高いということがわかり、専門家へ任せたいとなりご相談となりました。

面談にて病歴等をお聞きしている中で、「傷病手当金」の話しがでてきました。

この方、疾病により、現在、健康保険より傷病手当金を受給しているとのこと。

障害厚生（共済）年金、障害手当金と健康保険の傷病手当金は支給調整（※障害基礎のみの場合は併給となります。）あります。

この方、病歴としてはかなり前が初診となるのですが、傷病手当金については最近受給をし始めたとのこと。

そうなると、障害年金の申請をし受給が決まると、傷病手当金が調整（支給停止、重複の場合は返還）となります。

（※日額比較して傷病手当金の方が高い場合は、その差額分については受給が出来ます。）

傷病手当金は原則1年6か月分受給できます。

逆に障害年金は初診日から原則1年6か月経過後からしか申請できません。

そのため、理想の形としては初診から1年6か月は傷病手当金を受け取り、その後障害年金に切り替えるというパターンがあります。

しかし、現実には傷病手当金の受給開始が初診日から始まることは稀であり、障害年金申請も遅れてすることが多く、障害年金と傷病手当金が重複することが多くあります。（遡及請求等）

そのような場合、障害年金の方が高額になる場合（遡及額が見込める等）は、障害年金の申請をしても良いです。

逆に、傷病手当金が高額になる場合は、障害年金の申請を後にするケースもあります。

特に、専門家に依頼して費用が掛かってしまう場合は、受け取る額が変わらない場合は（障害年金+傷病手当金の差額＝傷病手当金全額）、すぐに障害年金申請をしても、依頼する費用が発生するので待った方が良い場合もあります。（傷病手当金、障害年金共に非課税です。）

ただし、障害年金申請は受給決定、支払い開始までに時間が掛かることから、傷病手当金の支給終了の少なくとも半年前には申請を勧めておかないと、支給の何もない期間が発生してしまいます。（但し、上記の方法だと重複期間が発生するため、協会けんぽ等に返還する必要がありますが、障害年金が支給された中から返還すればよいです。）

今回のケースは就労先の規定や有給休暇の消化により、傷病手当金の支給開始が休業から半年以上先であり、傷病手当金の受給も1年半+1年半の3年貰える、かつ給与が非常に高額という状況から、障害年金申請を先に見送るということになりました。

このようなケースは稀ではありますが、ヒアリングをしっかりしたからこそ、お客様にとって一番メリットのある状況は何かを検討することができました。

また、障害年金申請を先に延ばすために出来る準備というものがあるので、それも案内し、長期的な計画を案内させて頂きました。

障害年金申請を実際に行う際には再度連絡をし、必ず依頼しますと言っていただけました。

将来ご依頼が無かったとしても、当センターとしては、今最善の案内ができたこと、将来は将来で最善を尽くすので全く問題はありません。

ご相談いただいた内容によっては、障害年金申請にはつながらないこともあります。

しかし、それは相談をしたからこそ見えた回答であると思います。

全ては問い合わせから始まりますので、遠慮なく問い合わせてみてくださいね。

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